私たちが英語を話すのが苦手な理由について、絶対に知っておいてほしいことを書きます。
それは語彙力がないからでしょうか。フレーズを覚えていないからでしょうか。
こういったことももちろん関係あると思います。でも私たちは中学校から(最近の子どもたちは小学校から)英語をずっと勉強していますよね?文法もある程度わかるし、単語だってある程度は知っている。
なのに、なぜ話せないのでしょうか。練習が足りないからでしょうか。もちろん練習は必要なのは言うまでもないのですが、ちょっと視点を変えてみましょう。
それは、「日本語で話ができないから」です。
どういうことか。
「そもそも日本のこと、世界で起こっていることを日本語でも語れないから」ということです。
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フレーズや単語を覚えても話せない。なぜなら、、
私自身、昔から英語が話せるようになりたいと思って、英会話フレーズをたくさん覚えたり、単語をたくさん覚えました。こういった勉強が無駄なんてことは一切ないと思うのです。(実際、このブログでもフレーズを紹介していますし)
ただ私はずっと長いこと、英語力の伸び悩みを感じていたのです。
オンライン英会話などを使って自己紹介とか、趣味の話などをして、自分のことはある程度スラスラと話せるようになりました。
でもそこから英語力が伸びないのです。なぜだろう、とずっと考えていました。
オンライン英会話で提供されている色々なテキストを使って、話題を変えて話せるようにしようと試みたりもしました。
でも「何かが足りない。」そんな気持ちで何年間もモヤモヤして過ごしていました。
そしてある時、気がついたのです。「私にはそもそも語ることがない」ということに。
日本のことを語れますか
私はほんの2週間程度ですが、海外の語学学校に通ったことがあります。ほんの数日なので語学が伸びるとは思っていませんでしたが、海外で英語力試しをしてみたいな~という想いがあったのです。
その時に、ほとほと困ったことがあります。
それは語学学校のクラスで、自分の国について説明せよ、というお題が出された時のことです。
「日本について語る?何を?何も知らない。どうしよう。」

「ええと、、大昔から稲作をしていて、コメが主食です。コメから作ってるのが”sake(酒)”です。あとは、、四季のはっきりした島国です。」みたいなことしか思いつきませんでした。おそまつが過ぎますね滝汗
また、宗教の話も意外と語られることが多く、「日本人って何の宗教なの?」って聞かれたりもしました。これにも困りました。「日本は特別厚い信仰心はないけど、結婚式ではキリスト教スタイル、お葬式では仏教スタイルをとる人が多いですね~」くらいにか答えられないのです。そしてたいてい「なぜなの?」と不思議がられるのですが、「なぜかはわからない!」という感じで答えるしかなく。。他の国の人からしたら「なぜ知らないんだ?日本人はバカなのか?」と思ってしまったかもしれません。
自分の浅はかさを知ることになった良い旅でした汗。嫌な汗ばっかりかいていた数日でした。
というわけでこの経験から、
語ることがないから、会話が弾まない。英語力が伸びない、、ということに気がついたのです。
国にもよるとは思いますが、語学学校では他の国の人は自分たちの国のことを良く知っている印象を受けました。こちらが止めるまで語り続ける人もいるという話も聞いたことがあります。
ですが、日本人はどうでしょう。もちろん語れる人もいると思いますが、そういう人は少数派な気がします。
なぜなら、私たちは自分たちの国を知るように教育されていないからです。
日本はどういう国なのか。確かに歴史は習いますが、自分たちはいったい何者なのでしょう。いつの時代から私たちは自分たちを「日本人」と意識して生活するようになったのでしょう。日本人は「信仰心がない」「無神論者」と言われたりしますが、それは本当でしょうか。もし本当ならば、なぜ私たちは無神論者となったのでしょうか。(余談:私個人の意見では、日本人は無神論者ではないと思っています)
なぜ他の世界の人たちは宗教を重んじるのでしょうか?そもそもなぜ宗教が生まれたのでしょうか。日本にも「神道」と呼ばれる宗教があるように思いますが、神道とは何でしょうか。
これらの問いに答えられるでしょうか。
私は今こそ自分なりの意見を言えるようになりましたが、先ほども述べたように数年前まではそんなこと全く知らない人間でした。正直、あまり興味もありませんでした汗。「世の中は宗教をめぐって争ったりしてるけど、日本は平和でいいな~。宗教ってなくても別に生きていけるし~」くらいにしか考えていなかったのです大汗。
「なぜ宗教が原因で世の中争いごとが絶えないように見えるのか」ということを考えたこともなかったです。世界で何が起こっているのかに興味が持てない。それくらいちゃらんぽらんで何も考えていない人間でした。。
その知識のないままの自分で、長いこと英語を話せるようになりたいと思っていました。
自己紹介や趣味の話ができる、くらいだったら私はもうこれ以上英会話を勉強する必要はありません。
ですが、語学学校で痛い目にあって思ったのは、「もっと日本のことや世界のことを知って、世界の人と色々なトピックを語り合いたい!」ということです。
これまでオンライン英会話をいくらこなしても、自己紹介や趣味以外の話ができるようにならないことにモヤモヤしていましたが、そうか、そもそも語れる意見がなかったというベーシックな原因にたどり着きました。何年かかって気がついたのだという話ですけれど。
というわけで、
英語を話せるようにするには、教養を身につけ、先ずは日本語で語れる意見を持つこと
これが何よりも重要だと考えます。
教養を身につけるには
じゃあどうやって教養を身につけるか。私は本を読みました。たくさん読みました。それだけで不思議と「自分はこう考えるなぁ」という意見が構築されていきました。
具体的にどんな本を読んだかと言いますと、まずは池上彰さんの本をめちゃくちゃ読みました。特におとなの教養(Amazonに飛びます)という本がシリーズで3冊出ているのですが、これが本当におすすめです。
もうこのシリーズ3冊だけでもいいから読んでと言いたいです。いや、一番最初の一冊でもいいから読んでください。カタくて難しそうな本かと思いきや、めちゃくちゃ面白いですよ。
私はもう冒頭の序章、すぐに役立つことは、すぐ役に立たなくなるという項で目から鱗が落ちました。あとは感染症の歴史についても書かれているのですが、池上さんはコロナのような感染症の流行を予見していたと思われる記述がありました。知識があれば、こういった先々の予測もできてくるものなのだなぁ、、と感心というか、自分の無知さを思い知りました。
そんなわけで序章から知らない話ばかりで、「早く読みたい!もっと知りたい!」と思うことばかりなのです。これを一冊読んだだけで世界のことが分かった気になれちゃいます。
そうしたら、どんどんいろいろなことを知りたくなって、どんどん本を読むようになりました。今まで本を読むといえば小説だったのですが、こういった知識を学ぶ(リベラルアーツというのでしょうか)ことが趣味のようになってしまいました。
私はこういった世の中のことを知らずにどうして生きていられたのだろうか。
という気分になります。人生が変わりました。
これからの英会話を伸ばす流れ
私は今、地域の英会話クラブに参加するようになったのですが、その上級クラスに挑戦してみると、やはり教養人が多くとても勉強になります。そこで、私の英会話力も伸びていきました。
こんな図式です。
言いたい意見がある。
⇒意見があるから、頑張って英語で言おうとする。
⇒そのためにフレーズや単語を覚えるようになる。
フレーズや単語をまず覚えていた以前とは、真逆の流れで英語力を伸ばしました。
以前の私だったら、たくさんフレーズを覚えても活用する場がないから、結局忘れるしパッと口から出てこない。(知識としては蓄積されるけれど)
今の私は、「話したい!」という想いからフレーズや単語を「活用する」と言った感じです。
まとめ【話したいことを作る】
英会話力でお悩みの方は、「自分は英語で伝えたいことがある!」というレベルに持っていくことが大事かなと思っています。
例えば仕事でどうしても英会話が必要となった、といったら必死になりますし、仕事だから「これとこれを伝えたい!」という思いがありますよね。こういう状況に置かれた方々がみるみる英語力を伸ばしていったのを目にしたことが何度もあります。
私は今までそういった状況はなかったので、とりあえずフレーズや単語を勉強してみるけど「なんか英会話力伸びないな」と行き詰まっていました。
なので、会話力をつけるにはフレーズや単語はもう後回しでいいと思います。先にやるべきは「話したい事」を作ること。「伝えたい!」という思いがあれば、それを伝えるためにフレーズとか単語を調べるはずなので。
そして伝えたいことは、知識を身につけることで増えていく。
私は日本のことをもっと知りたいですし、それを世界に広めていきたいと思っています。もう一度海外の語学学校に通って、日本のことを聞かれたら堂々と話したいと思います。
今の教育はどんどん変わってきているのかもしれません。でも少なくとも私たちの時代(私は30代後半ですが)は、例えば歴史はとにかく詰め込んで覚えるものでしかありませんでした。数学とかは理系に進むんだったらやらなきゃな~とまだ意義のあることに思えたのですが、歴史なんかはテスト勉強のために仕方なくやる、、みたいな感じでした。そのあとにつながるものが見えなかったのです。
でも今、大の大人になって初めて、歴史を学ぶ意味が見えました(歴史だけではないですが)。そうしたらなんと大きな世界が私を待っていたことか、、せめて20代で知っておきたかったです。
そして世界の人とコミュニケーションを取るというのは、単に自己紹介ができるだけでは足りず、色々な知識を持って相手の文化や日本の文化を理解していかなければいけないと思うのです。そもそも自分のことを知らなければお互いを理解するのは程遠く、近づくどころか遠くなる。。ということもあるかもしれません。
また今後は若い人も、もしくは30代40代50代それ以上の大人でも例えば海外留学をする機会があるかもしれません。そうなったときに、自分の国のことを語ることができたら、絶対に楽しいし、有意義なものになるはずです。
そしてよりよい未来につながることになるのではないかと本気で思っています。
おまけ(激押し本)
教養を身につけるなら、まずはここからというものをセレクト。すべて池上さんですが、、本当におすすめなので。
大人の教養は、1~3まで出ていますがどれから読んでもいいと思います。
おとなの教養
おとなの教養2
おとなの教養3
池上彰の「経済学」講義1 歴史編 戦後70年 世界経済の歩み
池上彰の「経済学」講義2 ニュース編 覇権をめぐりお金が武器に