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6月30日は夏越の大祓

本日は6月30日。夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)の日ですね。

大祓とは、水無月(6月)と師走(12月)の末日に行われる天下万人の罪や禍を清める儀式のことです。神さまに奉仕する神職が祈りの言葉「祝詞」を奏上し、神様への感謝や祈りを捧げます。

英語では、

大祓の儀式:the Great Purification Ritual

祝詞:The Great Purificatin Prayer

と表現できるようです。

 

また、夏越の大祓を以下のように説明しているサイトがありました。

Every year at the end of June, many shrines hold an ancient Japanese purification rite called Nagoshi no Harae.
In this ceremony, people atone for their sins in the first half of the year and then pray for their health for the remainder of the year by walking through a tall chinowa wreath (a large sacred ring, made of loosely twisted miscanthus reeds called chigaya).

引用:https://www.fujingaho.jp/culture/a73813/nagoshinoharae-2017-0530/

多くの神社では~という儀式が行われる:many shrines hold ~

罪を祓い清める:people atone for their sins

(1~6月の)半年間:in the first half of the year

健康を願う:people pray for their health

wreath: リース(chinowa wreathで「茅の輪」を表しています。チガヤという草で編んだ輪のことで、茅の輪をくぐることで半年間の穢れを祓うものです)

 

 

また、京都の方ではこの日に「水無月」というお菓子を食べます。

英語で水無月を紹介しているサイトがありました。

Minazuki is also the name of the see through triangle shaped wagashi (Japanese sweet)that is eaten on the 30th of June.
It is taken from a Shinto ritual called Ooharae eaten twice a year on the 30th of June and the 30th of December for the purification of sins and bad luck from the first or second half of the year.
The triangle shape is meant to resemble a block of ice (chasing away the summer heat) and the azuki beans signify the exorcism of devils.

引用:https://tokyopony.com/index.php/2017/06/29/minazuki/

水無月は三角形の半透明のういろうの上に小豆がのっているお菓子ですが、それをthe see through triangle shaped wagashiと表現していますね。

三角形は氷のかけらを表していることを、The triangle shape is meant to resemble a block of ice、

暑気を払うことを、chasing away the summer heat、

豆は悪魔祓いの意味があるため、the azuki beans signify the exorcism of devils

と表現しています。

 

さあ今年もあと半年。新たな気持ちで頑張りたいですね。

 

余談

私が夏越の大祓という言葉を知ったのは実はマンガでした。

とりかえ・ばや(外部サイトに飛びます)という漫画の11巻に出ています。東宮様が夏越の大祓を行い、祝詞を奏上するシーンがあります。

 

「とりかえ・ばや」は古典「とりかへばや物語」を基に作られたお話です。

時は平安時代。男の子のような闊達な女の子と、人見知りして恥ずかしがり屋の男の子が主人公です。

顔がそっくりな二人は密かに入れ替わり、女の子の方は男として帝に仕え、男の子は女として東宮に仕えるという話です。

 

平安時代の宮中の儀式や行事を知るにもなかなかいいマンガです(正確ではないところ、脚色されているところなどももちろんあるとは思いますが)。

そして私が特に好きなのは和歌が登場する場面です。古今和歌集などからの和歌が引用されておりまして、和歌の使い方が絶妙です。

以下は「和漢朗詠集」からの引用ですが、漫画で出てきた中でもお気に入りの和歌です。

 

春留むるに 春住まらず(はるとどむるに はるとどまらず)

春帰って 人寂漠たり(はるかえって ひとせきばくたり)

風を厭うに 風定まらず(かぜをいとうに かぜしずまらず)

風起って 花蕭索たり(かぜたって はなしょうさくたり)

竹院に君 静かにして永日をけすならん(ちくいんにきみ しずかにしてえいじつをけすならん)

花亭に 我 酔うて(かていに われ ようて)

残んの春を 送る(のこんのはるを おくる)

春を引きとめようとしても 春はとどまってくれぬ

春は帰ってしまい 人はひっそりと孤独をかみしめる

花散らす風を嫌っても 風は静まらず

風に吹かれて散った花びらが いっそうもの哀しい

君は竹をめぐらせた閑静な館で

春が尽きるこの長い一日をすごされる

花で囲んだ小さな家で 私は酒に酔いながら残り少ない春を見送る

引用:さいとうちほ『とりかえ・ばや』

 

日本語の豊かさは和歌からきているのかもしれませんね。和歌をもっと勉強したいと思うこの頃です。

完全に余談でした。